2011年3月26日土曜日

インド大魔術師の教え(その3)

さて、前回はどこまでお話をしたでしょうか・・・

そうそう!
涙目、ガクブルになりながら、印度を目指したところでした。

印度でも2回ほど死にかけましたが、今回の話の主題ではないので、また機会があったらということにしましょう。

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さて、何とかこの旅も無事(?)終え、在星中に賃借していたHDB(シンガポールの公営住宅)に戻って来ました。
それから(確か2週間程度位後だったと記憶しているのですが)、印度から何やら手紙が届きましたよ。

印度で知り合った友人から早速手紙がキター!
ああ、俺の人生ってハートフルで素敵♡


封筒を開いてみると、「なんだか秘境みたいな雰囲気の薄暗い森で、たくさんの子供達が遊んでいるような写真」が数枚と「木で作られた数珠」?

手紙がある。

拝啓

タイでは大変お世話になりました。
あなたが寄付してくださった浄財で、村の子供達の生活が随分助けられました。
喜んでいる子どもたちを見てください。
なんとかかんとか。

今度、是非私たちの村に遊びに来てください。
その際、US$2000ほどお持ちいただければ皆とても喜ぶと思います。
なんとかかんとか。

敬具

住所 なんとかかんとか,Kashmir, India
氏名 なんとかかんとか

おっ、わざわざ礼状をくださって・・・・・・

っておい!
貴様かあぁぁぁーーーーー!!
なんか、色々おかしいだろ!!!

カシミールから、出稼ぎに来とったんかいな!
警察にも訴えとるんだけど!!!

あれは、どういう魔術なんだっ?
あの「good man」って、バカにしてんの?
なぜ、俺を狙った?
本気で2000ドル持って来いって言ってんのか?

でもって・・・

俺の住所、なんで知っとるの?

・・・

俺は、この壮大な大魔術から何を学ばなければならないのか?
この手紙は一体何なんだ?

おしまい

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最近、ふと思い出しました。
この一連の出来事にどんな意味があったのか、未だに謎です。
でも、あの写真と数珠は捨てなきゃよかった・・・
味があったけど、あの時は、頭にきてたからなあ。
 

2011年3月25日金曜日

インド大魔術師の教え(その2)

寺院遺跡にも興味があったので、ちょっとアユタヤまで足をのばしました。


うーん、なかなか趣深い・・・

アユタヤには、日本人町(アユタヤにほんじんまち)があって、その跡地にもたたずんでいた。
14世紀中ごろから18世紀頃まで、最盛期で1000~1500人の日本人が住んでいたらしい。
「今自分が立っている、まさにこの地面の上で、戦国時代の日本から渡ってきて、住んでいたんだあ」
「現実に居たのに、今は誰もいない、不思議だ」
「この世ってのは、まさしく、夢、幻の類やなあ」
などと感傷に浸っていたのを覚えている。

滞在4日目ぐらいだったでしょうか。
おっ、ちょっと両替しておこう、と思い、厳重に鍵をしてあるウエストポーチから、US$を出しま・・・
出しま・・・
・・・

なあい!!!

ないんですけど!
マイマニーが!!!
US$2400!

トラベラーズチェックはある。
が、現金が無い。

ん、なんだ?
タイバーツの紙幣が1枚あるぞ。


なんか書いてあるんですけど・・・
you are good man

・・・
はあ?
 
どうした?
何が起こった?
(ただいま狼狽中)

あれだ・・・
あれだああああ!!!

しかしどうやって?

パニクっていて、はっきりしていない記憶を必死で辿りました。
そういえば、あのおっちゃん、確か「あなた自身、そしてあなたの持ち物全てを清浄にしなくてはなりません。持ち物すべてをちょっと貸してください。」とか言って、私のリュックやウエストポーチ全てに息を吹きかけてたぞ・・・。
しかし、ウエストポーチには鍵をかけてあったはずだし、その様子も一部始終見ていたのに!
「持ち物祝福の儀式」も1分とかからなかったはず。

でも、あのタイミング以外ない・・・

催眠術だ。
催眠術に違いない!

でも、あの紙は?
私の個人情報を事前に入手する機会はいくらでもある。
というより、バンコクでパスポートを見せる機会は、宿とか、換金所とかいくらでもあるので、そこと連携したグループが、後をつけてきたと考えるほうが自然だ。
しかし、親の情報は?
これだけは、いまだもって分からない。
シンガポールにいた時でさえ、親の情報を開示したことはないはず。
これだけは、催眠術じゃないように思う。
紙に書かれていた筆跡まで、いまだに記憶しているのだが・・・

超能力+催眠術か。
何らかのトリックで、中身すり替えが成功したとしても、その後、わざわざ別の紙幣の裏に「you are good man」などと書いている時間などなかったはずだ。
とすると、はじめから成功することを見越して書いていたのか。
それとも、いつも、感謝のメッセージ入り紙幣を持っていたのか。

もしかすると・・・
催眠術のようで、本物の超・能・力なのか。

そのあと、少し精神状態がおかしくなったが、気を取り直して、警察に駆け込んだ。
一部始終を話した。
警察の人の反応は・・・

「それは大変だ」
「しかし、犯人は捕まらないでしょう」

よくある事件なのか聞いてみたら、「こんな珍妙な事件は初めて聞いた」と言った。
本当?
お人好しの外国人によくある話だ、と適当に流してるだけじゃないんですか?

涙目になりながら、警察を後にしたのであった。

つづく

2011年3月24日木曜日

インド大魔術師の教え(その1)

最近、胃の調子がイマイチだったので、どうするか思案していたところ、ふと恐怖の記憶が蘇って来ました。

かれこれ20年以上前の話です。

シンガポールでの仕事を終え、インドへの旅(陸路を選択)の途中、タイのバンコク郊外の田舎町をふらっと歩いていると、いかにも怪しげなインド人が私を呼び止めました。
タイでもインド人をよく見かけるのですが、雰囲気が怪しいのです。


「あなたのことを待っていました。私はあなたのことを知っています。あなたの清浄な旅を祝福させてください。」
などと、さらに怪しげなことも言うのです。
(旅っつっても、サイババのアシュラムに行くついでに寄ってみただけなんですけど・・・)
そして、脇の寺院に呼び込まれ、二人向い合って禅を組みました。
で、彼は私の眉間に3回ほどフッ、フッ、フッと息を吹きかけ、手に持っていた紙にもフッと息を吹きかけました。
そして、その紙を、おもむろに私に手渡しました。

な、なんと!

そこには、英語(ローマ字?)で、私の名前、生年月日、私の両親の名前、が記されているではありませんか!
他にも何かゴニョゴニョと書いてありましたが、パニクっていたので覚えていません。
もう一度、私の眉間に息を吹きかけ、「祝福あれ!」みたいなことを言って、去っていったのです。

これは一体!!

特別な旅になる予感!!!

その後、その街で宿を探し、ヘブン状態のまま、うっとりと一夜を過ごしました。

つづく